目だって、のんびりしたい

超音波で視力が回復する医療機器があるという。一日10分間、まぶたの上から超音波をあてるだけで近眼や老眼、白内障の手術を回避し見やすくなるそうだ。

「え?ほんまかいな?」

耳を疑り、高校時代以来世話になっている眼鏡をかけ直した。なんだかあやしそうだ。そんな簡単なことで、目がよく見えるようになるのだろうか?

そんなおり、その超音波治療器を販売している社長=都築衛(つづきまもる)さんに会う機会がひょんなことでめぐってきた。

なぜ、超音波で目が良くなるんだろう?

まずは、そのあたりから訊いてみよう。

「『おしりだって、洗ってほしい。』ってコピー、ありましたよね。ぼくは『目だって、ゆったりお風呂に入って寛いでほしい。』って思うんです」

開口一番、ツヅキさんは優しい笑顔でこう言った。

――は?目がお風呂?

一瞬、鬼太郎のお父さん(目玉おやじ)が風呂に浸かっている姿が頭に浮かぶ。

「そう、その姿です。目玉にリラックスしてほしいんです」

パソコンやスマートフォンが普及して、テレビは大画面になり、目はダイレクトに、しかも至近距離から光を直視する時間が多くなったという。

「その結果、慢性的な眼精疲労やドライアイ、視力低下に悩まされてます。目は疲れ切っているんです。眠っているとき以外は、ずっと使ってますからね」

ツヅキさんによると、目は高性能カメラのように精密にピント合わせされている。ところが、目を酷使することで、眼球や眼筋が緊張して硬くなるそうだ。

――たしかに。整体の先生にも、肩こりの原因の80%は目から来てると言われます。

「目は悲鳴を上げてます。すごく頑張ってるのに、みんな関心が薄い。歯なら6月4日は虫歯の日、虫歯予防の歯磨きは習慣になっている。なのに、10月10日が目の愛護デーってほとんどの人は知りません。目の筋肉は働きすぎで、コリコリになってるんです。その筋肉や視神経をほぐしてあげることが大切。超音波がその役目を担ってくれるんです」

――超音波が、温泉みたいなものだと?

目玉おやじが超音波のお風呂にゆったり入るイメージです。目を動かしている筋肉をほぐしてあげれば、視力は戻ってくるんです。じつは、目だけじゃなく、ほかの部位にも有効なんですよ」

ツヅキさんのお話には、まだまだ「つづき」があるのだった。

(以下、次号のお楽しみ)