記者は高校時代に近視になり、以来、眼鏡暮らしである。
「いちどフタワソニックを使ってみませんか。ご自身で実感されるのが一番ですから。安心しどうぞ」
ツヅキさんに言われ、さっそく、その夜、目蓋の上からフタワソニックを軽く右目に当てた。ピーッという音がして、毎秒2万4000回の微弱な超音波が送られてくる。といっても、ぶるぶる震えたりなんて、まったくない。いたってフツー。5分経つと、ピピッと音がした。今度は左目に当てる。
「フタワソニックはいわば目の温泉です。超音波が目の筋肉をほぐしてくれ、脳もリラックスさせてくれます」
とツツキさんは言っていた。
たしかにフタワソニックを当てていると、目の周りがほんわかしてくる。血行が良くなっているからだろう。左目に当てて5分。こんどはピピピッと鳴ってスイッチが切れた。計10分である。
なんだかほっこりしている。大きなあくびが一つ出た。脳の緊張がゆるんでいるのだ。
「目は脳や心とダイレクトに結びついているんです」というツヅキさんの言葉を思い出す。その後、強い瞬きを5回、普通の瞬きを30回した。ツヅキさんに教わったマバタキ体操と目の運動である。
「瞬きをすることで目に涙を行き渡らせ、角膜に栄養を与えてバリアをつくるんです。瞬きをしないとドライアイになったり、目蓋が下がってきちゃう。目蓋も筋肉ですから。その筋肉を日々鍛えておくんです」
ツツキさんの言葉はいちいちもっともだなと思いつつ、瞬きを繰り返す。眠気がじんわり。不眠症なので、いつもは誘眠剤を飲んで寝るのだが、フタワソニック超音波マッサージはその代わりにもなってくれたようだ。
ツヅキさんからは毎日と言われていたが、あまり勤勉なタイプではない。フタワソニックをほぼ一日おき10分当てた。
2週間ほど経ったある日。取材で車に乗ろうとしたら、眼鏡をかけることを忘れていた。
そういえばツヅキさんは視生活の改善には「6つのS」が大切だ睡眠、姿勢、照明、と言っていた。食生活、スポーツ、ストレスだ。最近パソコンに向かうときも、裸眼だった。知らぬ間に睡眠とストレスが改善されたのかもしれない。超音波マッサージとマバタキ体操(眼筋運動)、視生活の改善、この3本柱を湯治療法のようにコツコツ続けることが大切だ。
そうだ。こんど、視力検査を受けてみよう。
(以下は、次号のお楽しみ)